仏旅行2日目 ルーアン→オンフルール→モン・サン・ミッシェル

tarosource2007-09-02

かつて、ノルマンディー公国の都だったルーアン
じつは私、ノルマンディー好きである。正確に言うと百年戦争好きだ。百年戦争のきっかけになった、ノルマンディーの領土。フランス王ルイ7世、イングランド王ヘンリー2世、その二人の王の王になった、アキテーヌ女公爵アリエノール、第三次十字軍の英雄イングランド王リチャード獅子心王、フランス国王にして、唯一フランス王で列聖されたサン・ルイ、イングランド王ジョン(欠地王)とロビン・フッドの伝説、あと、百年戦争でもっとも有名なのはイングランドならエドワード黒太子、フランスだったらジャンヌ・ダルク!ですよね〜

・・・・と、まあ、私にとってはノルマンディー公国は憧れの地、でもある。
子供のころに読んだ、シェイクスピアの影響もあるけれど、基本的に歴史好き。

そんな憧れのルーアンは美しいところだった。
上だけを見ていれば。

下は犬のウンチだらけ!!
連れは散策中に思いっきり、ウンチを踏みつけ、ジャンヌダルク教会の前にある芝生で、一生懸命取り除く羽目になっていました。(^^;

石畳にボトボトといたるところにあって、しょっちゅう清掃車がガーガーと音を立てながら走っているのよ。
しかし、日本に比べて乾燥した空気と、気温の低さのせいで、街中ウンチ臭いということはない。

もし、日本だったら・・・そうとう臭いだろうなぁ・・・しかも絶対、不衛生!伝染病のもとになるよ!!
なんで、平気で道のど真ん中にウンチさせているんだろう・・・・不思議だ。

・・・とまあ、ウンチ話はここまでにして。

最初にルーアンで観光したのは、大時計・・・っつーか、門。
羊のレリーフがあって、それはノルマンディーの名産である羊肉や、毛織物と、イエス・キリスト神の子羊」の両方をひっかけているらしい。
とても綺麗な大時計だった。

そこをくぐると、見えてきたのが・・・まあ、前夜も見たけれど、ルーアンの象徴、ノートルダム大聖堂だ。
創建1063年(もちろん何世紀にも渡って、増改築されている)、15世紀のステンドグラス、19世紀に完成した高さ152Mの尖塔。

昼は雄大、夜は繊細に見えるといわれているとかで、確かに、前夜見たときは、ちょっとゴシック・ホラーちっくだったが、朝に見る大聖堂はまさに
天高く伸び上がるゴシック様式の尖塔が、神への願いを表し、ゴシック・フランボワーズ様式のレリーフは燃えさかる神への情熱を表しているかのようだった。

うううーーん、う、美しい。

この日は日曜日なので、早くしないとミサが始まってしまうらしい。ミサが始まると、信者以外は入れない。あと、特に日曜日で敬虔なキリスト教徒がいらっしゃるわけだから、私たちにとっては観光地でも、信者にとっては祈りの場所だから・・・ということで、写真撮影についての他、走らない、騒がない、といったことを添乗員に念押しされて、中へ。

いやぁ・・・・すばらしいですね、教会って。

薄闇の中、静かに降り注ぐ、光のかけら。
ステンドグラスが指し示す、信仰への道。
迷える信徒へ手を差し伸べる聖母マリア・・・

いやぁ〜、美しい〜、中世の空気がそのまま残っている感じだわ〜vv

思わずうっとりしつつも、ミサが始まりそうだったので、さっさと出ざるをえなかったのが残念でした。




木骨組造りの家々を眺めながら、サン・マクルー教会の外観を見る。(内部はミサ中)
ここもゴシック様式で美しい教会でした。ルーアンは、最初のノートルダム大聖堂、このサン・マクルー教会の他、サントゥアン教会というのが有名らしい。
(もちろん、有名教会は山ほどある)

サン・マクルー教会の横を通り過ぎ・・・サン・マクルーの中庭に行く・・・ここは不気味だった。この話はいずれ、別の場所で・・・猫が絡んでくるから。(苦笑)

サン・マクルーの中庭の帰り道に連れが、冒頭に書いたように、犬のウンチを踏みつける。

「運がついてよかったね!」と慰めながら、次に向かったのが、ジャンヌ・ダルク教会。

このジャンヌ・ダルク教会は・・・とても近現代的な造りの教会で、信仰の対象としての教会というよりも、観光スポットという感じがすごくする。
じゃあ、なんで、こんな教会があるのかというと・・・・この教会の一角で、1431年5月30日、フランスの女英雄ジャンヌ・ダルクが火刑に処せられたというところなのだ。


「ここでジャンヌ・ダルクが魔女ということで火刑に処せられた」というところには、シンプルな十字架が建っていて、教会に寄り添うように、炎に包まれたジャンヌの像があった。

内部は広くて、明るい教会だった。半円形状に席があるので、きっと神父さまの声も聞きやすいだろう。
ちなみに、ここはすでにミサは行われていなかった。
ミサって、教会によっては30分程度だったり、3時間くらいかかったりといろいろらしい。
でも座席には、数人の信徒の方々が座っていたので、邪魔しないようにちょっと離れたところから内部見学。

教会自体は、比較的新しいが、ステンドグラスは16世紀のものなんだそうだ・・・これは現存していないサン・ヴァンサン教会というところから移されたもの・・・が、壁一面に広がっている。
説明によると、空襲でサン・ヴァンサン教会は失われてしまったらしいが、ステンドグラスは戦時中に取り外して保管をしていたとのこと。
キリスト教徒の信仰心を表すというステンドグラスは、とても精緻な表情をみせている。

ここで、ちょっと自由時間をとり、午後はオンフルールへ向かった。

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オンフルールは、セーヌ川河口の港町。
晴れていて、白い船や水のキラメキがとても眩しく、美しい。

街としては、私も連れもとても気に入ったところだった。

真っ青な空に飛行機雲が走る。美しいねぇ・・・・

役場の前になぜかメリーゴーランドがあって、子供たちがはしゃいでいる。

オープン・カフェでは、ちょうど昼食時ということで、多くの人々が山盛りのオマール海老を食べている。

のどかで開放的な雰囲気。

そんな美しいこの地を代表する教会はサント・カトリーナ教会である。
この教会は珍しく木造で建てられたもの。
15世紀の百年戦争で重要な拠点のひとつだったオンフルールは街も教会も破壊されてしまった。
オンフルールはセーヌ川の河口で、イギリス海峡の入口。オンフルールを手に入れられると、セーヌ川を遡ってパリまで行かれるんですよね・・・だから相当このの攻防は激しかったのだと思う。
百年戦争終結した後、人々は再び街のシンボルとして、信仰の拠り所として、生きる希望として教会を再建することを決意。
しかし、街の教会専門の石工たちは死んでしまっていたし、他から石工を呼び寄せるほどのお金はない。
そこで普段は船を造る船大工たちが立ち上がった。
「オンフルールの復興はオンフルールの民の手で!」
そうして造られたのが、サント・カトリーナ教会。船大工達が造った教会は、船体をさかさまにひっくり返したような形に。
ミサなどを行う聖堂と教会の鐘楼は別々に建設されていて、ちなみに鐘楼は現在博物館。
フランスで最も古い木造建築というこの教会は、木の独特のぬくもりがあって優しい雰囲気。

なんか・・・日本の寺院も木造だから、和むねぇ・・・と思いながら、ゆっくり見学しようとしていたら・・・おお、メダイが売っている!!
特にこのオンフルールのサント・カトリーナ教会オリジナルのメダイがあるわけではないけれど、思わずいくつか買ってしまいました。

ああ、なんか和むし落ち着く教会ねぇ・・・って、思っていたら・・・ガイドさんに置いていかれてしまった。(がびーん)
・・・まあ、このあと自由時間だって言っていたし、待ち合わせ時間も場所もわかっているからまあ、いいか・・・とよけいのんびりと教会を見ていたのでした。

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オンフルール観光が終わると、いよいよモン・サン・ミッシェルへ向かう。
対岸にある、ルレ・サン・ミッシェルというホテルに一泊するのだ♪

西暦708年アヴランシェの司教オベールの夢枕に大天使ミカエルが現れ、彼の地に教会を作れと告げたというところから、聖ミカエル山(モン・サン・ミッシェル)という名前になったんだとか。
もともとはケルト民族の聖地だったから、ようはカトリックと、現地の宗教が融合したわけなんだろうけれど。

バスで農地の合間を走りぬけ・・・途中、車窓からアブランシェの城を遠くから見る。
モン・サン・ミッシェルの内部は、フランス革命の折にほとんどを破損、破壊、海外へ売却されてしまい、ほとんど残っていない。
それでもわずかに残った書物・・・写本は現在アブランシェに保管されているのだそうだ。
ちなみに、アブランシェの城からは、かつて・・・宗教戦争・・・おそらくカトリーナメディチが王妃だったころのユグノー戦争(1562〜1598年)あたりのことだろうと思うのだけれど、
ユグノー(新教徒)たちを城の塔から、次々と突き落としていったのだそうだ・・・・ふふふ。(怪しい)
アブランシェも、いつか行ってみたいなぁ・・・


そしてアブランシェを過ぎると、すぐに遠くからモン・サン・ミッシェルが見えてくる。この日はすごく晴れていたので、農地や牧草地の遥か彼方に見えるかの山は、光を受けて遠くからでも貫禄を感じさせている。
・・・なんだかドキドキしてきたぞ〜。楽しみvv


期待に胸を膨らませて、やがてホテルに到着。そして部屋に入る・・・・


すっごーーーーーい!!うきゃーーーーー!!!
目の前にモン・サン・ミッシェル!!

2km程の距離があるらしいのだけれど、その圧倒的な大きさ、そして神々しさは、2kmの距離を感じさせないほど大きくそびえたっていた!!
おまけに晴れていたし、到着時刻は19時くらいなのだけれど、この時期のフランスは20時くらいに日没なので、まだ外は明るい。
それでもややオレンジがかった光が、修道院の壁を照らし、澄み切った秋の空と白い雲が・・・ああ、一枚の絵のようだわ・・・

大きなテラスに私達も、そしてツアーで一緒になった人たちも思わずそれぞれの部屋から身を乗り出してモン・サン・ミッシェルを眺める・・・ちなみに、このツアーの目玉が「ホテルの客室から眺めるモン・サン・ミッシェル!」なんだけれど・・・・いや〜想像以上だね。

夕食後は、徒歩でモン・サン・ミッシェルまで歩く。
2kmの道を往復しちゃったvv
他の観光客達も、写真を撮ったり、歩いて眺めたり・・・一方で周囲は牧草地と砂浜ばかりなので、注意することは舗装された道路では車にひかれないようにすることと、舗装されていない道はややぬかるんでいたり、石が転がっているので、足をとられたり、転んだりしないようにすることくらいかな〜。
夜でもちょっと気をつけていればいい程度。

日が落ちて、少しずつ移ろい変わり行くモン・サン・ミッシェル・・・ライトアップされた姿も一段と美しい〜。ただし光源が足りないので、写真はイマイチなんだけれどね。^^;
ちょっとだけ、モン・サン・ミッシェルの中に入り・・・明日はこの内部の観光かと思うとやはりドキドキ・・・ちなみに、このとき21時半くらいなんだけれど、島内はお土産屋さんや島内外の宿泊客達で賑わっていました・・・

帰り道は、夜空を眺めながらv
流れ星を見たり、天の川を見たり・・・横浜や川崎に住んでいると、星を見たくても、空が明る過ぎたり、空気があまり綺麗じゃなかったりして見えないのだけれど、ここは違う。車や石に気をつけながら星空を見上げて帰る道も結構楽しいものでした。

ルーアン→オンフルール→モン・サン・ミッシェル、と2日目もハードな移動距離で、終えたのでした・・・
3日目は、モン・サン・ミッシェル観光だ〜!!