石の処理

個人で持っている、マラカイト・クリソコラがある。
最初からルース・ケースで密閉していればよかったのだが、そうしなかったので、いまではすっかりクリソコラ部分は酸化して緑色になっている。


よく、お店のクリソコラのお問い合わせで「透明材(樹脂コーティング)の有無」を尋ねられる。

それ自体は、別に個人の好き好きだから、OKだと思うけれど、たま〜〜に、「樹脂コーティングが悪い」ようなことを言われてしまって、樹脂コーティングの商品そのものも悪いように言われてしまうのは心外だなー、と思ってしまう。

先日、トルコ石の勉強会をしにいった話はブログでも少し書いたけれど、あの勉強会の主旨は「処理のどのように捉えるか」ということだった。

トルコ石にはワックス処理、透明な樹脂コーティング、有色の樹脂コーティング、化学処理などが主として存在する。練り物やハウライトの着色とかは論外だとして、有色の樹脂コーティングもちょっとねぇ・・・というのもあったが、結局のところ、「色の安定」のためにワックス処理や透明な樹脂コーティング、化学処理は必要、ということだった。

もちろん、やりすぎは良くない。
べったりコーティングをしてしまうと、トルコ石の場合、熱の通りが悪くなってしまった結果、経年変化で、石の中の鉄分が表面に現われて空青色のトルコ石が、グリーンになってきまうという話だった。

:グリーンの色合いが強いトルコ石自体は、悪くないです。グリーンは鉄分が多いというだけ。ただ、青い石を買ったつもりが、ある日見てみたら緑になっちゃったら・・・それはビックリだろうね、という話)

なんの処理もしていないと、人間の汗や脂、そのほかの液体や汚れの付着で、石が汚くなるし、もろくなる。

クリソコラだって同様だ。決して石自体も硬度は低いし、酸化しやすい。

宝石も鉱物も最近なにかと「無処理」「無処理」とうわごとのように言われているけれど、昔から処理をされてきている石には「処理をした方が良い」と理由があってそうされてきているのだから、あんまり目くじらを立てなくてもいいと思う。

処理・無処理は、メリット、デメリットがそれぞれあるのだから、それを飲み込んだ上で考えて欲しいよねー、というのが私の意見だ。
まあ、石屋も石屋で処理、無処理を聞かれたら答えられるくらいにならないとね・・・(←私自身のことだけど)

それにしても、ある日、久しぶりに石をみたら、グリーンだったなんて、本当にがっかり・・・。
ジュエリー加工しようと思っていたのにさ〜〜。(苦笑)