ネビュラストーンなのか、カンババ・ジャスパーなのか?

tarosource2007-05-07

GWが終わり、私は休日です。ああ、やっとノンビリできる・・・・。
日記は、5月6日の日付ですが、書いているのは7日です。今回はちょっと長いので、日付を変えて書いています。

今回はネビュラストーンの話である。

今回、このネビュラストーンをUPしたところ、「カンババ・ジャスパーではないのですか?」というお問い合わせを複数いただきました。

お客様からいただいた、カンババ・ジャスパーのwebは下記に。
カンババ・ジャスパー http://www.evans-lambert.com/orbfiles/M2867.htm

うーん、でも産地で言うなら、カンババはマダガスカル産で〜、これはアメリカ西海岸で〜、ネビュラの産地はメキシコだから、地理的メキシコと西海岸は近いし、そもそも、「ネビュラストーン」として発注したものだから〜

・・・・だから、ネビュラ・ストーンなのだろうか?

はてさて?

お客様が「カンババではないですか?」と問い合わせてきた理由のひとつとしては、石の色にある。
カンババはネビュラよりも緑色の量が多い。でも、今回仕入れてきたネビュラは確かに緑が多いけれど、一部、黒が多いのもあるんだよね〜。
あ、ちなみに写真は私の私物。手前の丸っぽいのが、昔、Tianで仕入れたネビュラ、奥のが今回のネビュラ。手前の昔の方が磨き具合が良いので、色合いは綺麗に見えるかもしれないけれど、黒と緑のコントラストに関してはどっこいどっこいだと思う。

ネビュラストーンを最初にTianで入荷したのは、もうずいぶん前の話だ。1999年か2000年だったと思う。ちょうど私が宝飾の鑑定鑑別事務所で働いていたときのことだ。物珍しさに1個購入し・・・・そして、鑑別の特殊検査に出した。(物好き)

そのときの結果。(重さと形状のデータは、写真手前の石についてなので、気にしないで下さい)

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形状:不定形  重量:92.676ct
色相透明度:黒、緑、不透明  外観特徴:緑色の目の縞模様
屈折率:SP 1.52 比重:2.71
蛍光性:長波(none) 短波(none)
拡大検査:繊維構造 フラクチャー アンイーブン
成分分析:Fe, K, Al, Si
鉱物名:特定できず不明・岩石  
「Nebula Stone」と呼ばれている。

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このころは、ネビュラストーン自体、日本であまり見かけることがなかったし、ましてや宝飾では皆無だったから、データがない。過去のデータがなければ特定できないので「知らない、わからない、だから岩石です」で終わってしまっていた。


そして、今回のネビュラストーンをつらつらと眺める。「色相透明度:黒、緑、不透明  外観特徴:緑色の目の縞模様」は共通している。緑色の部分の繊維構造も一緒っぽい。
比重はな〜、ビーカーとか簡単な小道具があればできなくないけれど、不器用な私が比重秤をちゃんと作れるかはかなり自信がないし、そもそも「黒と緑の量で比重はかなり変わると思うよ」と当時言われているしな〜。(だれか工作できる人〜!)
蛍光は、とりあえず手持ちのブラックライトを当ててみたけれど、noneだった。

あとは、成分分析か〜〜。こればっかりはTianでは、さすがにできない。日本の宝飾の鑑別会社はあまたあるけれど、すべての事務所が成分分析の機械を持っているわけではない。鑑別の基本は、重量、形状、拡大検査や分光、蛍光、比重(あまり普段は比重は使わないが)・・・などで、成分分析をする必要まではないから。
成分分析は、例えばブラジルのパライバで採れたトルマリンなのか否か?という感じで産地を特定するときに使う。
ちなみに、過去にTianでは、天然ガラスとして仕入れたものが本当に天然なのか、否かで分析を依頼したことがあるけれど、ようはそーゆーことに使う。で、私の勤めていた事務所は貧乏なので持っていない。(苦笑)
だから、大手の鑑別会社に頼まないといけなかったりするのだが・・・これがまあ、お金がかかるわけよね。当然。
600円の石に、成分分析代金を上乗せするのか・・・というと、ちょっとそれはねぇ・・・そこまで高くしたら、売れないでしょうが。という感じ。

だから、今回のは成分分析をかけていないから、過去のネビュラストーンと成分が一致するかは不明。(だれか、600円の石に1万円くらい分析代金を出す人がいれば、分析にまわすけれど・・・)

・・・と、まあ、今回のネビュラストーンについて、「カンババか、ネビュラか?」ということに関して、私の個人的な答えはぶっちゃけこんな感じだ。

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ネビュラストーンを注文して、仕入れたのが今回のネビュラストーン。確かにカンババに類似しているが、私自身はカンババの実物を見たことが無いし、分析をしたことも無い。ただし、過去のネビュラは分析したことがある。その過去のデータを元にして考えると、今回のネビュラと過去のネビュラは外観的特徴の類似が認められるが、成分分析をしていないのでその点に関しては不明。ただし岩石であるので、鉱山によって、成分が異なる部分もあると思う。

ちなみに岩石の定義は、FGA(英宝協)のテキストによると、「岩石とは複数の鉱物の天然でできた集合体である」とある。(具体的には、ラピスラズリ花崗岩など。例外として天然火山ガラスのオブシディアン)

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以上、かな。ああ、なんだかとってもマジメな話だわ〜。
で、このネビュラについては、7日の日記に続く〜。しばしお待ちを・・・(買い物に行かなきゃ)