オパール&アウィン

tarosource2006-01-24

オパールは4年前くらい前、アウィンは3年前にIJTで購入したもの。
どちらもとても気に入っていて、石を買ってすぐにジュエリーにしました。

オパールはオーストラリア産。ブラックオパールを取り扱っている業者なんだけれど、ブラックではなくて、海のようなブルーの地色と、夕日のような朱赤の遊色が気に入っていた。
そして、このオパールの枠は、当時私がものすごーーーく気に入っていたリングの枠に留めて作ってもらったのだった(写真)。

「天使の羽」のようなリング枠はちょっと憧れで、可愛らしい。だけど、ダイヤがいっぱいついているから、華やかだし綺麗だ!・・・・と思って作ったのだが。

・・・失敗した。
理由を先に言うと、オパールとこの枠がミスマッチだったのだ。オパールのようなぼんやりゆらゆら遊色を楽しむような石の枠には、もっとキリッとしたシャープな枠が似合う。
一方、この天使の羽のように広がる枠には、濃い色の単純にいえば、ルビーやサファイアといった原色の石のほうが似合っているのだ。
あああ・・・なのに、私は自分の好みを優先しちゃったのよ〜〜!!
洋服もそうですよね。自分の好きな服が、似合う服とは限らない。それって、ジュエリーもそうなんですよねぇ。石と枠の相性というものがある。
そのうちいつかリフォームしようかな、と思いつつ、いまはこのまま使っています。


アウィンの枠は最初、似ているけれど、ちょっと違う枠にしようと思っていた。でも結局いまの枠にしたのは、ダイヤの大きさの問題。
最初に希望していた枠だと、脇石のダイヤのサイズが大きくなってしまって、その分予算オーバー。だから、もうちょっとダイヤのサイズを落とそうと(ctを少なくする)思って、今の枠を指定し、ダイヤのランクを指定した。
枠はアウィン自体がたいへん脆い石のため、アウィンが留まる石座をプラチナ、他の部分はホワイトゴールドにしてもらった。

ええと、なんでそんな面倒くさいことをすると、加工上の問題。ホワイトゴールドはまず、バネ性が強いので、がっしりと石を留めるのに力がいる。だから脆い石は割れやすい。
もうひとつは、ホワイトゴールドは最後にメッキをかけなくてはいけない。
普通に店頭にあるホワイトゴールドって、プラチナと同じ色しているけれど、それはメッキをかけるから。ゴールドなんだから、本当はもっと白っぽいけれど金色です。まあ、割金によってより白っぽくなることは可能だけれど、金は金。
石を留めた爪の部分が金色じゃおかしいでしょう?だから、最後にメッキ液につけるわけなんですが、脆い石はメッキ液につけられない。
だから脆い石を使ってジュエリーを作るときは、石座だけプラチナにするわけなんです(私が昔勤めていた会社だけの話かもしれないけれど)。

ところが。
「全部、プラチナで作っちゃったー!」出来上がったのは、燦然と輝くALLプラチナのリング。
あああ、美しいよ。プラチナの重みが素敵だよ。
だけど、プラチナは高いから、ホワイトゴールドにしろって言ったじゃんっ!!

工房にいる職人からすれば、ALLプラチナの方が作りやすい。でもユーザーは安くて綺麗な方がいい。職人はプラチナのほうが高価だし、価値があるからプラチナのほうが良いと言う。ユーザーには・・・正直、プラチナだろうがホワイトゴールドだろうが、どっちでもいいのよ、安ければ、という人は少なくない(特に若い人は)。

その工房の職人とユーザーのギャップを埋めるのが、営業事務やコーディネーターの仕事なんだけれど、この職人達を指示するのって、本当に本当に難しいんですよね。とりあえず、できてしまったものは仕方がないので、アウィンはプラチナ・リングになりました(笑)。


と。ここ数日、つらつらとオーダーメイド・ジュエリーのことを書きましたが、「あああ・・・」ということは、あります。どうしても。
とくに既成枠じゃなくて、いちからのフルオーダーだと、その頭のイメージと現実のギャップは大きく出てくるかも。
でも、私がオーダーメイドが好きなのは、「自分だけのジュエリー」という満足感。必要ならば、ダイヤや地金の調整ができる楽しさ。出来上がるまでのじっくりとした喜び・・・などなどが、フツーに買ったやつより勝るから、だと思っている。
今年も、自分の為に石を買って、ジュエリーを作りたいなぁ・・・・