海を想う石・4

tarosource2005-06-12

しつこーく、書き連ねるこれも、とりあえず最後。最後は王道「アクアマリン」ですね。
ちょうど「Crystal Laboratory」にも載っているし。(笑)

アクアマリンは涼しげでキラキラしていて・・・まさに海の水ですよね。店にはアクアマリンのスフィアがあります。ややグリーンのかかった透明度の高いブラジル産。
真っ青のアクアも、もちろん好きだけど、ちょっとグリーンの入ったアクアはさんご礁の海を思い出すので、『リゾートの海』はこんなアクアの方がぴったりだと思う。

このアクアを見ていると思い出すのが、西表島の海。西表島は初めて行ったリゾート。
西表島はジャングルの島で、天然記念物のイリオモテヤマネコの生息地としても有名だ(ただし、地元の人でも見たことない、って言うけれど)。
周辺の海は盛りだくさんで、キレイなさんご礁もあれば、潮の流れの速いところ、淡水と海水の交じり合うところ・・・とさまざまだ。さらに魚の種類もとっても多い。
そんなところで潜るときは、ダイバーにそこそこのスキルを求められるのだけれど、いまから7年前は、まだまだ新米のダイバー(その1年前にライセンスはとったのだけど)。ちょっとでも難しい海にはまったく潜らせてもらえなかったにも関わらず、ドタドタ バタバタ モタモタ。周囲には、私が思っている以上に迷惑をかけたはずだ。
とても綺麗な海は、ダイバーとしての自分にたくさんの課題を与えてきて、ちょっと落ち込み(とても楽しかったけれどね)、なおかつ「頑張って経験積んで、次はもっと難しい海に潜るぞ!」と心に誓ったものだ。

それから数年後。いまから3年前の2002年。再び西表島へ!
7年前にはまったく潜らせてもらえなかった、浅瀬にも連れて行ってくれた(深い海も大変だけど、浅すぎる海も浮力の関係があって潜るの大変なんです・・・)。
ところが!1番行きたかったところには連れて行ってもらえなかった!!
理由は、一緒に来ていた友人が「絶対潜りたくない」と拒否したからなのだけど。
でも、別の船に乗って、別行動をとってまで潜れるかというと・・・自信はなかった。
初めて西表島に来たときから数年たっていたとはいえ、当時の私は、夏から秋にかけて、月に1度か2度、伊豆に日帰りで潜ってくる程度。年数の割には潜っていない。
西表島の1番潜りたかった場所は、潮の流れが速いところ。普段の海とは全然違う。悔しかったが、「自分のスキル不足」として断念した。
そして。
さらに、スキルUPを目指すことを心に誓ったのである。

あれから2年。いや〜、潜りましたよ。たくさん。潜って潜って。上級のライセンスとって。西表島リベンジ前に、同じく潮流の激しい与那国に行ってしまったけれど、その分いまなら自信もって潜れるね。
西表島って私にとって「自分の現状を把握させて、レベルUPを求めてくる海」。それも「今日ダメだったから、また明日」という類ではなくて、積み重ねて積み重ねて、時間とネットワークを繋げて・・・ということを求めてくる

これが、実は私にとってのアクアマリンと大きくリンクしてくる感じがする。
アクアマリンって、「ネガティブなもの、しこりとなっているものを洗い流す」とされているけれど、そう簡単に洗い流せるかっつーの!!と、思う。
私はそこまでトリ頭じゃないやいっ!
例えば単純な日々のミスで「あ、スープに胡椒入れすぎて辛くなっちゃたー。次はもうちょっと控えよう」程度のことだったら、ぜんぜんしこりにもならないだろう。
しかしそこに人間関係などの難しさ、複雑さが絡んできて、「あいつ、あの程度の料理で胡椒入れすぎたんだって〜」とか「じゃあ、砂糖入れてみ〜れ〜ば〜?」といったことが出てくるから、うっとおしいし、ややこしくなる。
さらにさらに、自分の知らない人のところまで噂が飛んでいて「あいつ、まるっきり料理がダメなんだって」になっている(苦笑)。人によっては意地悪ではなく、単なる他愛ない笑い話なのに、最後には大きくなっている。なんで放って置いてくれないのだろうとなる。
そうすると、人間って不思議なもので「私・・・料理ダメなのかも」と落ち込んでくる(特に他の人がとっても料理が上手だと評価されて、比較されるともう最悪)。
上の料理云々のことは、単なる例えだけれど、そこまでいってしまうと、自分ひとりでバタバタもがいても水着一枚で黒潮の海で泳いでいるようなものだ。どんどん潮の流れに流されて遥か彼方へいってしまう。
そうならないために、自分でフィン(あしひれ)やスノーケルなどを買って泳げるようになる必要も求められるし、なにより船から自分の位置を教えてくれて、ピックアップのポイントを教えてくれる人を探して、協力を要請するしかないと思う(ただ、船を待っているだけではダメなのよね〜)。
「ネガティブなもの、しこりとなっているものを洗い流す」には、自分の努力と意欲を見せて、周囲に協力を応援を頼み、さらに努力と意欲で頑張って結果を見せてこそ、過去のしこりが洗い流せるのだと思う。

すっごく長い文章になってしまったけれど、アクアマリンって「いまのままじゃあ、どーしよーもない。でもどーにかしたい」と思っているときに現れてくる石。「じゃあ、どうすればいいの?」「目指すところに行くにはどうすればいいの?」という課題を与える石。綺麗なだけの石じゃないのよ、ってね。

(ST03-109 アクアマリン 30,000円 Φ44.5mm)